「犬の十戒」
                           (アメリカ・作者不詳)


  私の一生は、10〜15年位しかありません。ほんのわずかな時間でも、あなたと離れているの
はつらいのです。私を飼う前に、どうかそのことを知っておいて下さい。

 「あなたが私に望んでいること」を、私が理解出来るようになるまで時間を与えて下さい。

 私を信頼して下さい。それだけで私は幸せなのです。

  私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには仕事や楽しみがあり
ますし、友達だっているでしょう。でも、私にはあなただけしかいないのです。

  時には私に話しかけて下さい。たとえあなたの言葉を理解出来なくても、私に話しかけてい
る、あなたの声で理解しています。

  あなたが私にどのような扱いをしても、私はあなたのことを忘れないだろうということを知って
おいて下さい。

  私を叩く前に思い出して下さい。私には、あなたの手の骨を簡単に噛み砕くことが出来る歯
があるけれど、私はあなたを噛まないように決めていることを。

  言うことを聞かない。頑固だ。怠け者だと叱る前に、私がそうなる原因が何かないかと、あな
た自身に問い掛けてみて下さい。適切なエサを上げなかったのでは? 日中、太陽が照りつけ
ている屋外に、長時間放置していたのかも? 年を取るにつれて、心臓が弱ってはいないだろ
うか?

  私が年を取っても、どうか世話をして下さい。あなたも同じように年を取るのです。

  最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送って下さい。「見ているのがつらいから」とか、
「私の居ないところで逝かせてあげて」などと言わないでほしいのです。あなたがそばにいてく
れるだけで、 私には、どんなことでも安らかに受け入れられます。そして、どうか忘れないで下
さい。私があなたを愛していることを‥



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